2月172012

C型肝炎

C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって肝臓に炎症を起こす病気です。RNAウイルスであるHCVは主に血液を介して感染し、HBVよりも感染力は弱く、母子感染や性交渉による感染はまれで、HCVが発見される前の輸血や血液製剤の使用、あるいは集団予防接種での針の使い回しなどによる感染が多いと考えられています。HCVに感染した場合には急性肝炎になることはまれで、急性肝炎の症状が出ても軽く済みます。ただしHCVがRNAウイルスで変異しやすく、ヒトの免疫システムをすり抜けてしまうため、約7割で感染が慢性化してキャリア(日本では約150~200万人)になってしまいます。キャリアになった大部分は慢性肝炎となり、その症状は軽いのですが、約20~30年後に高率で肝硬変、肝臓癌へと症状が進行します。現在日本には100人に1~2人の割合でC型慢性肝炎の人がいると推測され、“21世紀の国民病”とまで言われています。

医学部面接・小論文対策 キーワードミニ辞典 Vol.20 | レクサス教育センター

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2月142012

院内感染

病気の治療の場である病院は、多様な病原体に感染した患者が集まり、抗生剤の多用による薬剤耐性菌などが多く生息していたりするため、感染症が発生しやすい危険な場所とも言える。また病院内には重度の消耗性疾患の患者、外科手術を受けた患者、臓器移植手術後の拒絶反応を弱めるための免疫抑制剤を投与された患者などの感染に対する抵抗性が低下した人が多く、注射や手術などの医療行為により体内に病原体が侵入する可能性もあり、病院内は感染症や伝染病の集団発生のリスクが高い。病院内で発生する感染症は、病院外で発生する感染症とは病原体や対策などが異なることも多いため、特に院内感染と呼んでいる。

院内感染の主な感染経路と病原体
・接触感染:多剤耐性菌(MRSA,VRE,VRSA,MDRPなど)、疥癬、セレウス菌
・経口感染:腸管出血性大腸菌(O157など)、ノロウイルス、赤痢
・飛沫感染:インフルエンザウイルス、風疹ウイルス、マイコプラズマ、髄膜炎菌
・空気感染:麻疹ウイルス、水痘ウイルス、結核菌
・血液感染:HIV、HBV、HCV
・手術による感染:緑膿菌、表皮ブドウ球菌、プリオン

院内感染を予防するために、病院では手洗いや消毒などの基本的な感染予防対策を徹底させ、専門の部門や感染制御チームを設け色々な対策を講じている。しかし研究・改良されてはいるが、予防対策が本当に充分であるとは言えないのが現状である。また、もし薬剤耐性菌により院内感染が生じてしまうと、使用できる薬剤がほとんどなくなりつつあるため対処が困難になってきている。さらに対策に不備が認められた場合には医療訴訟が起こり、社会問題となってしまうこともある。

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2月132012

再生医療

再生医療とは、欠損したり機能障害、機能不全に陥り自然には再生できない臓器や組織を人工的に再生させ、機能を回復することを目的とした医療です。広い意味での再生医療には、人工物を使い機能回復する方法や臓器移植なども含まれますが、今のところこれらの方法には限界があるため、最近は細胞を利用した再生医療が注目されています。

再生医療に利用される可能性がある細胞としては、ES細胞、iPS細胞、体性幹細胞などが挙げられます。

ES細胞(胚性幹細胞、Embryonic Stem Cell)は、受精卵が何回かの分裂、増殖を経て成長した胚の中に存在する若い細胞です。どのような細胞になるかは運命づけられていないため、あらゆる細胞に分化できる分化万能性を持ち、培養して分化を誘導できれば必要な組織や臓器を作り出せる可能性があります。ただし、ES細胞を得るためにはヒトの受精卵を破壊する必要があるという倫理面の問題や、腫瘍化する場合があるという問題が存在します。

iPS細胞(人工多能性幹細胞、Induced Pluripotent Stem Cell)は、皮膚などの細胞に遺伝子を導入して作られ、やはり分化万能性があります。患者本人の皮膚細胞などを利用するため、倫理上の問題や拒絶反応の問題を回避することができますが、ES細胞と同様に腫瘍化する場合があるという問題が残っています。

体性幹細胞は、組織や臓器ごとにわずかに存在し、由来する細胞により限られた種類の細胞にしか分化しないものから、広範囲な細胞に分化するものまで様々な種類のものがあります。患者本人から採取するため、iPS細胞と同様に倫理面の問題や拒絶反応の問題を回避することができますが、組織や臓器に含まれる数は少なく、分化能が限られているものや培養して増殖させることが困難なものが多くあるため、実用化するためにはまだ色々な研究が必要です。

細胞を利用した再生医療はまだ発展途上ですが、現在では造血幹細胞を用いた治療、皮膚・軟骨・骨移植、心筋や神経細胞の再生などの治療などが行われ始め、実験的には組織や臓器の再生も研究が進んでいます。

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2月102012

癌の三大療法・放射線療法

X線やγ(ガンマ)線といった放射線を癌細胞に照射して、細胞分裂を阻害したり、細胞が自ら死んでいくアポトーシスという現象を増強する局所的な治療法です。放射線によって正常な細胞もダメージを受けてしまいますが、最近ではコンピュータ技術の発達により癌細胞に対して集中的に照射ができるようになり、正常な細胞に対するダメージを減少させることができるようになりました。外科治療に比べると、体を傷つけたり治療のときに痛みを感じたりすることはありませんが、脱毛や食欲不振、嘔吐などの副作用があります。

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1PM

癌の三大療法・化学療法

抗癌剤などの化学物質を用いて癌細胞の分裂を抑え、癌細胞を破壊する治療法です。抗癌剤は静脈に注射するか内服すると血液中に入り、全身の隅々まで運ばれて、体内に潜む癌細胞を攻撃し破壊します。この治療法は、全身のどこに癌細胞が発生しても効果があるという全身的なものになっています。ただし癌細胞のみを攻撃するだけではなく、正常な細胞まで一緒に攻撃してしまい、嘔気、嘔吐、脱毛、疲労感などの副作用もあります。また癌の種類によって感受性の高いものと低いものが分かれてしまうため、治療薬の選択や投薬の時期、量のコントロールを的確にしなければなりません。

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2月92012

癌の三大療法・外科療法

癌の原発巣(最初に癌が発生した部位)と転移巣(原発巣から転移した部位)をまとめて手術的に取り除く治療法です。ほとんどの癌に対して行われ、原則として癌の主病巣と所属リンパ節を取り去ります。

この治療法は癌が原発巣にとどまっていて、転移が確認されない場合には最も有効な方法となります。その反面、転移がある場合には効果が薄れてしまいますし、外科手術により癌細胞が急速に増殖したり転移する場合もあります。また外科手術により生体機能が損なわれたり、QOLが低下するなど、どうしてもマイナスの面がつきまといます。さらに体力が低下している場合や、高齢の場合には手術自体が出来ないこともあります。

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2月82012

サリドマイド

―― サリドマイド、年内にも販売開始 多発性骨髄腫の治療に 厚労省審議会が了承 ―― (2008年10月3日 時事通信)

 胎児に重大な薬害をもたらし販売停止となった医薬品「サリドマイド」について、厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会は3日、安全管理の徹底などを条件に、多発性骨髄腫の治療薬としての製造販売を了承し、舛添要一厚労相に答申した。今月中旬をめどに同相が承認する見通し。

 最終手続きが済むまでにさらに2、3ヵ月かかる見込みで、藤本製薬(大阪府松原市)が早ければ年内にも販売を開始する。薬害を起こした医薬品の販売再開は極めて異例。
(その後、10月16日に製造販売が承認されました)

◇   ◇   ◇

サリドマイドに関する基礎知識

1957.10. 西独・グリュネンタール社が睡眠薬「コンテルガン」として開発、販売開始
1958.1. 大日本製薬が「イソミン」として販売開始
1960.9. 米FDA(食品医薬品局)、サリドマイド剤販売を許可せず
(データ不備との理由で)
1961.11.15. 西独で、胎児の奇形の原因であると警告
1961.11.26. グリュネンタール社が回収を決定
1962.2. 厚生省が亜細亜製薬のサリドマイド剤「パングル」を認可
1962.5. 大日本製薬など6社がサリドマイド剤の出荷停止を厚生省に申し入れ
1962.9.13. 大日本製薬などがサリドマイド剤販売停止・回収

 アメリカで許可されなかったのは、何らかの問題があったからではないかと推測されます。したがって、それが他国で認可されたこと自体、疑問が残ります。

 ただ、明らかに問題なのは、

(1)西独で回収されることになってから10ヵ月近くの間、何らの対策もされなかったこと。
(2)それどころか厚生省は、西独で回収された後に、新たな認可まで与えていること。

 日本でのサリドマイド児の誕生数が最も多いのは1962年、次いで多いのが1963年。放置した間に、患者数は倍増したのです。

 さらに、同じ過ちをスモンでもC型肝炎でも薬害エイズでも繰り返したこと……。

 決して忘れてはなりません。

医学部面接・小論文対策 キーワードミニ辞典 Vol.16 | レクサス教育センター

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2月72012

フィブリノゲン製剤

C型肝炎、田辺三菱が原告女性と和解 大阪地裁 (2008年9月17日 朝日新聞)

 薬害C型肝炎訴訟をめぐり、被告企業の田辺三菱製薬(大阪市)と原告患者の森上(もりがみ)悦子さん(59)=大阪市在住=が17日、大阪地裁(深見敏正裁判長)で和解した。同社が「C型肝炎患者の救済を図るため治療薬開発に最大限努力する」と約束を和解条項に盛り込み、森上さんが賠償請求を放棄することで合意した。一連の訴訟で被告企業が和解に応じたのは初めて。

 森上さんは74年長男の出産時に血液製剤フィブリノゲンを投与されC型肝炎に感染。肝がんになり、入院を続けている。(以下略)

◇   ◇   ◇

フィブリノゲン製剤とC型肝炎に関する基礎知識

1964  フィブリノゲン(血液凝固第Ⅰ原因)製剤承認 適応症は低フィブリノゲン血症であったが、ひろく止血剤として使われる
1977 米でフィブリノゲン製剤および同種製剤承認取消 (肝炎感染の危険、代替治療の存在などを理由として)
1987 青森で非A非B型肝炎集団感染
1987 加熱製剤承認・発売、非加熱製剤自主回収
1988 厚生省の指示により、加熱製剤の緊急安全性情報を配布し返品要請 (加熱処理が非A非B型に有効でなかったため)
1989 HCV(C型肝炎ウイルス)同定
1994 フィブリノゲン製剤の製造工程にSD処理(ウイルス不活性化処理)導入
1998 適応症を先天性低フィブリノゲン血症に限定
2002 薬害肝炎訴訟提訴
2006~07 大阪・福岡・東京各地裁で薬害肝炎訴訟判決、国と製薬会社の責任を認定
2008 1/11  薬害肝炎救済法成立
2008 1/15  原告団と国、和解基本合意書に調印(国が責任を認める)
2008 4/22 厚生省研究班が、調査した投与患者の1割がC型肝炎に感染していたとする中間報告を公表……投与患者数は製薬会社の推計でも約29万人

◇   ◇   ◇

 アメリカで承認取消となってから21年後にようやく適応症を限定しただけで、その間厚生省(現厚生労働省)は、承認取消などの強制手段を一切とっていないのですね。唖然とするほかありません。

 サリドマイド、キノホルム、薬害HIV……利益本位の製薬会社と、それに癒着したずさんな行政……。

 同じ過ちを、何度繰り返せばすむのでしょう……。

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2月62012

医師不足問題の根っこ

――臨床研修制度で検討会設置=年内めどに結論一厚労・文部省 ―― (2008年9月5日 時事通信)

 医師不足の原因の一つとされている2004年度導入の新臨床研修制度を見直すため、厚生労働、文部科学両省は5日、合同で新たに有識者検討会を設置すると発表した。8日午後初会合を開催し、年内をめどに結論をまとめる。

 新臨床研修制度により、若手医師の大学病院離れが進んだ結果、医師が地域で偏在し、医師不足を招いたとされる。

◇   ◇   ◇

 「医療の危機」あるいは「医療崩壊」は、「医療制度構造改革」と2004年の研修制度変更をきっかけとして一気に表面化した感があります。

 しかし、医師数に関する政策は、戦後一貫して「必要最低限」の医師数を確保する、という以上のものではなかったようです。

 1980年代の初頭に「最低限」の目標が達成されると、とたんに「医療費亡国論」が登場し、「医療費を削減しないと日本経済の発展が妨げられる」という根拠不明の主張に基づいて医師数を抑制し、したがって医学部定員を削減する方針がとられるようになります。

 「必要最低限」からさらに削減するというわけです。ですから「不足」するのは当然の結果でしかありません。言ってみれば「確信犯」だったのですね。

 その結果、厚生労働省によると、日本の医師数は推計25万7000人(平成16年)。内訳は病院の勤務医が16万4000人、開業医(診療所勤務の医師を含む)が9万3000人。

 世界保健機構(WHO)が平成18年に発表した報告書では、人口10万人当たりの日本の医師数は198人。これに対しフランス337人、イタリア420人、スペイン330人、ロシア425人……。日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟する30ヵ国中27位(2004年)と圧倒的に少なくなっています。加盟国平均の38万人に、約12万人も足りないのです。

 医師不足が特に深刻なのは産科と小児科。産科医は平成6年に1万1400人だったのが、10年後には1万600人と減少。小児科医も平成6年には1万3300人だったのが10年後には1万4700人とわずかに増えただけ……。

 日本の大学医学部の入学定員は約7500人で、引退や死亡した医師を差し引くと、毎年約4000人の増加にすぎず(2008年まで)、加盟国平均に達するには30年以上かかると試算されています。

◇   ◇   ◇

 話を研修制度に戻しましょう。なぜそんな研修制度が導入されたのか? 一言で言えば「封建的な医局制度」を壊すため、と言ってよいでしょう。壊してみたらもっとまずくなった、というわけです。

 そもそも「高度成長期」以降今に至るまで、人口の都市集中が進んでいることを知らない人はいないでしょう。生活条件の良い方向へ人が流れるというのは、止めようのないことです。医師とて同じ。

 それを止めていたのが「封建的」と形容される医局制度で、「封建的」だからこそ止められていた(それでもさすがに限界に来ていた)、その影響力をなくしたら止めようがなくなった、ということではないのでしょうか。

 しかも医師の総数は、一貫して「必要最小限」(あるいはそれ以下)にとどめられ、危ういバランスを辛うじて保っていた……となれば、少しでもバランスが崩れれば、一気に崩壊するのは当然です。

「医師不足の根っこ」は、かなり深いようです。

医学部面接・小論文対策 キーワードミニ辞典 Vol.14 | レクサス教育センター

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2月32012

臓器移植法改正後の問題点

 2010年7月17日、改正臓器移植法が全面施行されました。

 脳死が人の死であることを前提に、脳死下で本人の意思が不明な場合には、家族の同意があれば臓器提供が可能になったこと、そして15歳未満の子供も臓器提供が可能になったことが大きな改正点です。

 法改正前の脳死臓器提供は年平均10例足らずでしたが、改正後は8~12月の5ヵ月で29例もの提供がありました。

 このうち1例は書面による本人の意思表示がありましたが、残りの4例は書面による本人の意思表示はなく、旧法では脳死臓器提供の対象にはならないものでした。

◇   ◇   ◇

 このように法改正により脳死臓器提供の機会は増え、移植に必要な臓器を確保していけるようになるでしょうが、それに伴う様々な問題も生じてくると思われます。

 たとえば、脳死判定には間隔をあけた2回の検査が必要で、この作業は担当するスタッフにとってかなりの負担になります。提供数が増え、それに伴い判定数が増えることによって、病院の日常業務に影響が出る可能性もあります。

 加えて、6歳未満の場合は1回目と2回目の判定の間隔が延長されたため待機時間が長くなり、18歳未満の場合は虐待の有無についての判定もしなければなりません。

 そのうえ、移植までドナーの管理もしなければなりません。

 これらの負担に病院が対応できるかどうかが、大きな問題となるでしょう。

 また、書面による意思表示がなくても、何らかの形で臓器提供に対する意思表示がなされているかどうかを調べたり、口頭での意思表示があった場合にそれを確認したりすることは、移植コーディネーターの大きな負担となるでしょう。

 さらに、本人の意思表示がなく、家族の方が臓器提供の決断を下した場合、家族の方に対する精神的なケアの問題があります。

  臓器提供の決断に対する葛藤と罪悪感を伴った心的外傷が継続する場合もあるので、スタッフや移植コーディネーターによるケアを欠かすことができません。

◇   ◇   ◇

 脳死臓器提供は、多くの患者さんが待ち望む臓器移植による治療であり、現代の医療では欠かすことのできないものとなっています。

 しかし、それに伴う越えなければならない問題も、まだまだたくさん残っています。

 脳死臓器提供に対する啓蒙的な活動は、今後さらに必要となるかもしれません。

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